国語
「羅生門」アフターストーリー … 矢島先生の国語総合

 芥川龍之介の「羅生門」のその後の物語をグループで協働して創作し、発表し合いました。「下人」の心の動きとその後の展開を考察し、物語に仕上げていく作業を通して、多様な読み取りの面白さを味わい、読解がより深まりました。また、お互いの発表に対して、描写の意図など活発な質問があがり、クラス全体への理解の深まりが感じられる授業でした。
 
 
宣長 vs 兼好 「玉勝間」まとめ…植平先生の古典

 本居宣長は、「玉勝間」の中で、「花は盛りに、月は隅なきをのみ見るものかは。」「人は四十歳に足らで死なんこそ、めやすかるべけれ。」という吉田兼好の記述を批判している。
課題1:この2つの批判の共通点を挙げよう。課題2:宣長の批判に対し、兼好の立場から反論しよう。
 2つの課題に対して、班学習で取り組みました。個人の意見をメンバーに伝え、意見を聞くことにより、考えを深め、最終的に班の見解としてまとめ、発表するという、一連の学習により、新たな気付きと深い理解が得られました。
 


『伊勢物語』を自分で色づけをすることで、作品の中に入り込む!…水野先生の国語総合

 
 今回の授業では、「東下り」を題材にし、登場人物の気持ちや、直接本文に書かれていない人物のセリフであったり、感情を自分で創造し、「自分の読み方を作る」ということを行いました。古典が難しく、苦手意識をもつ生徒が多い中で、少しでも苦手意識をうすめ、古典を楽しんでほしいと思いました。セリフを付け加えたり、現代風にしたりする生徒もいました。昔も今も人間としての感情はあまり変わらないということもわかり、身近なものとして感じることのできる生徒も多くいました。今回の授業が古典を楽しむ1つのきっかけになれば良いと思います。
 
地歴・公民
ジグソー法で思考を深める!広める!…村松先生の日本史B
 
 中学でも「冠位十二階」や「憲法十七条」については学習していますが、この授業では、「なぜ推古天皇の下で政治改革が行われたのか?」という問いをたて、その背景について、東アジアの動向も含め、より深く学んでいます。
 この授業では「知的構成型ジグソー法」というアクティブ・ラーニングの手法が用いられています。「エキスパート」「ジグソー」「クロストーク」という3つの活動により、仲間との関わり合いを通して一人一人の学びを深めることが「ねらい」です。
 生徒からは、「他の人の意見を聞くことにより、自分の考えが深まった」「歴史の授業では答えは一つだと思い込んでいたが、そうではないと気づいた」「話し合うことで自分の考えを相対化できる」などという感想が聞かれました。
 村松先生は、研修主任として授業改善に取り組むリーダー的存在です。従来型の講義式の授業にも熱烈なファンがいます。
 



比較地誌:朝鮮半島(韓国)とイタリア半島…梶井先生の地理B
 
 比較地誌とは、地理学の一手法で、複数の地域を多面的・多角的に取り上げ、地域の歴史的特徴を考慮しながら、空間軸と時間軸の両面から特色や課題を明らかにすることです。
 今回は、朝鮮半島(韓国)とイタリア半島について、気候、地形、電力構成、産業構造の相違点を明らかにしていく作業を行いました。個人での資料の読み取りから始め、ペアになっての意見交換を行うことにより、個人では気が付かなかったいろいろな視点から資料を読み取る技法を学びました。
 
数学
知識構成型ジグソー法の授業展開を数学で…寺沢先生の数学B
 
 今回の題材は内心の位置ベクトルの問題。難易度が高めであるが、一つ一つの計算自体についての煩雑さはない。数Ⅰと数Aで学んだ「余弦定理」「三角形の内心」「角の二等分線の性質」の3事項を使って解答を作っていくのだが、既習事項をただ覚えているだけでは役に立たず、柔軟な見方が大切であることを授業で感じて欲しい。と寺沢先生は言っていました。
 授業では、3人がひとつの班を作り、班員が3事項のそれぞれのエキスパートとなり他の班員にレクチャー。共同作業で最終解答を完成させていく過程を通して、生徒はより深い学びの形成を実感していました。
【問題】∠A=60°,AB=8, AC=5である△ABCの内心をIとする。ベクトルAB を ベクトルb, ベクトルAC をベクトルcとするとき、ベクトルAIをベクトルb, ベクトルcを用いて表しなさい。
 

ピア・インストラクションを用いたデータの分析(箱ひげ図)授業…増田先生の数学Ⅰ
 
 まず、①概念的な問題を提示。②個々の生徒の意見を集計したのち、③グループ協議、④再び個々の修正意見の集計を行い。最後に⑤解説を加える。という手法で、箱ひげ図の分析の問題に取り組みました。
 定義をしっかりと理解していなければ、正しいデータ分析もできません。あやふやだった知識をグループ協議を通して確認することにより、箱ひげ図の定義とデータ分析理論をより確かなものにしていきました。
 



二次曲線を極める…小関先生の数学Ⅲ
 
 数学Ⅲの二次曲線分野を基本事項から確認し、解法までの道筋を理解する。3年の数学では、国公立大学入試二次試験及び私大個別入試に対応するため、入試問題を徹底的に分析、既習事項を整理し、どう応用するかに重点を置き、解法までの考え方を習得、未知の問題に適応できる力をつけていきます。
 この日は、わずか4行程の双曲線の入試問題に、別解まで含め30分以上の時間とノート1ページ以上の分量を費やし、解答していました。綿密な場合分けを行い、論理的思考の筋道をしっかりと立て、解答を完成します。丹念に解法を追うことで、類題に対する適応力が養われます。
 
理科
組み立てて、動かして、分子構造を理解する! … 中上先生の化学基礎

 1年生の化学基礎の1場面です。分子模型を用いて分子のモデルを組み立て、いろいろな分子の形状の特徴をまとめたり、共通点を探ったりしました。 水素(H2)、塩素(Cl2)、水(H2O)、ベンゼン(C6H6)、メタン(CH4)、エタン(C2H6)、プロパン(C3H8)、エチレン(C2H4)、、、等々、試行錯誤しながら組み立てていく過程で、結合の法則性や特徴を学びました。さて、分子式C6H14にはいったいいくつの構造が考えられるでしょうか。
 

実験を通して授業内容の深化を!…石割先生の生物基礎

 

 2年生の授業でユスリカの幼虫であるアカムシのだ腺染色体の観察を行いました。アカムシは元気に生きているので、そこからだ腺を取り出してプレパラートを作るのは、実際にやるとなかなか難しいものです。
 染色体は染色するとバーコードみたいに横じまがあること、ところどころにパフというふくらみがあること、そのパフにはRNAが存在していること(DNAとRNAは染色液で染め分けられるので判別できます。)が顕微鏡を通して観察できます。
 教科書に載っている定番の事柄ですが、実際にやってみるとそのリアルさが実感できます。
 



百聞は一見に如かず、実験しなければ理科じゃない … 鈴木敏史先生の物理基礎
 
 1年生の物理基礎では、力学的エネルギー保存則を学習します。この授業では、位置エネルギーから運動エネルギーへの変換の際の保存則を検証しました。振り子を振って、最下点でのおもりの速さを、ミニカーの速度測定用のスピードメータで測定します。おもりを放す高さを5cmずつ変えながら実験すると、最初の位置エネルギーと、測定から計算した運動エネルギーがほぼ等しくなります。生徒たちは、どうやったら正確な実験ができるか、誤差の原因は何か、議論しながら楽しそうに実験していました。
 
英語

”Robots should replace teachers”ミニディベート … 湯川先生の英語表現Ⅱ

 小論文学習で扱ったテーマと関連させた論題でミニディベートを行いました。8グループに分かれ、肯定・否定それぞれの立場から論題に向き合い、対戦をしました。Constructive Speech(立論)→Attack Speech(反論)→Summary Speech(総括)を肯定側・否定側交互に繰り広げ、ジャッジのコメントまですべて英語で行われました。深まった自分の考えを最後は英語で書いてまとめます。どのように論理的に表現できるようになったか楽しみです。
 
 

Doubling a Square Land … 増井先生のコミュニケーション英語Ⅱ

 初見の英文「Doubling a Square Land」が1パラグラフずつ提示され、場面が展開していきます。生徒はペアになり、内容を読み解きながら出現する課題を解決していきます。画用紙とはさみも使いながら、皆正解にたどり着いたでしょうか。
 
 
Describing an image in English … 高松先生の英語表現Ⅱ

 先生のこの授業のキャッチフレーズは「ICTとアクティブ・ラーニングの組み合わせ」。タブレット端末などのICT(情報通信技術)機器を効果的に使って、英語を使うための場面を作り出し、グループやペアで意見を(もちろん英語で)自由に出し合いながら、お互いの英語力を向上させます。今回の目標は写真や絵を英語で説明するスキルを身につけることです。テレビモニタに映った様々な写真を示された手順に従ってグループやペアで助け合いながら説明していきます。
 


個人で、ペアで、グループで、アクティブに学ぶ! …岩田香緒里先生のコミュニケーション英語Ⅱ

 
 香緒里先生は、以前勤務された高校で「学びの共同体」を実践されてきた先生です。この授業では単元のまとめとしてJump Activityに挑戦しています。
 教材は“Paul the Prophet”、2010年のFIFAワールドカップ大会中、試合の勝敗を予言したとして有名になったタコのPaulと、動物を使った未来予知についての文章です。まず、タコがどのようにして勝敗を予言できたのかについての初出の英文を、グループワークで読み取り、ほかにどんな説が考えられるか、ブレインストーミングで意見を出し合います。その後、個人に戻り、自分の考えを英文でまとめます。最後にペアになって、意見交換をします。相手の意見を聞き取り、それに対するコメントを、“I agree with you because~”もしくは、“I didn't agree with you because~”を用いて話します。
 個人、ペア、グループと、学習の形態を変えながら学びを深める工夫がされており、自分の考えを、理由を明確にして相手に伝えることを通して、思考力と表現力を身につけることのできる授業です。